スカイスキャナーでパリ行きの航空券を探していると、欧州系や日系の航空会社に比べて中国系、韓国系のエアラインは数万円安い。
海外旅行は色々とお金がかかるので、数万円安いチケットはとても魅力的。
ただ、安さを取ると安全性やサービスの質に不安を感じる。
レビューには賛否両論書いてあって、自分で一度体験してみないと良し悪しは判断できないと思い、大韓航空のパリ行きのチケットを取ってみました。
この記事では、大韓航空で関西国際空港から仁川国際空港経由でパリに行った時、実際に搭乗した感想や仁川国際空港の乗り継ぎについて書いています。
※この搭乗記は、2017年11月2日搭乗時のものです。
パリ行きの大韓航空のチケットを購入
2008年に大韓航空でソウルまで行ったことがあったのですが、当時全く悪い印象はありませんでした。
個人の貧乏旅行だし、旅費を節約したかったので、大韓航空のエコノミークラスのチケットを81,180円で購入。
大阪⇔パリ間の旅程
往路
[KE722] 午前9:30関西国際空港発
↓
11:25 仁川国際空港着(フライト所要時間 1時間55分)
↓(乗り継ぎ時間は2時間半)
[KE 901] 14:00 仁川国際空港発(機材:A380)
↓
18:30 シャルル・ド・ゴール国際空港着(フライト所要時間 12時間30分)
復路
18:30には空港に到着するよう手配しておき、16時頃までパリ市内で最後の散策をしていました。
[KE902] 21:00シャルル・ド・ゴール国際空港発(機材:A380)
↓
15:55 仁川国際空港着
↓(乗り継ぎ時間は約3時間)
[KE721] 19:05 仁川国際空港発
↓
20:50 関西国際空港着
搭乗前にオンラインチェックイン
日本発ソウル行きは48時間前から、ソウル発パリ行きは24時間前からオンラインでチェックインできるので、アプリでチェックイン手続きを済ませる。
下の画像は帰路の画面です。
航空会社によってはオンラインチェックインができない場合もありますが、できる場合はいつも事前にオンラインでチェックインしています。
一応、チェックインカウンターでも紙の搭乗券を必ず受け取るようにしています。
当日、関西国際空港のチェックインカウンターへ
2017年の11月2日。
他の航空会社と同様に、大韓航空ソウル行きの便のチェックインカウンターも行列ができていました。
とはいえ、ハイシーズンではないので大混雑でもなく。
自分の番が回ってきて、カウンターでeチケットとパスポートを渡す。
カウンターの地上職員さんに「チェックインはもうお済みですね」と軽く確認される。
オンラインチェックインを済ませた人用のカウンターがあればいいのですが。
「紙の搭乗券はご入用ですか?」と尋ねられ、一応いただいておく。
オンラインチェックイン完了時に搭乗券が発券されるので、紙の搭乗券はいらないといえばいらない。
でも、電子機器に全幅の信頼を置いているわけでもないので、電子チケットの紙でのバックアップは必ず持つようにしています。
紙の搭乗券とバゲージクレームタグを受け取り、保安検査場へ。
保安検査後、申告する物は特にないのでいつものように税関をスルー。
出国審査場でスタンプを押してもらい、出国。
ソウル行きのKE722に搭乗
搭乗が開始した朝9時すぎ、大韓航空(KE722)の機内へ。
機材は近距離に多いボーイング737です。
三人並びの席のお隣はご年配の親子2人組で、ツアーでパリに行かれる方のようでした。
近距離の時はいつも窓側の座席を取り、外の素晴らしい景色を堪能します。
トイレはお隣の方が立たれたタイミングで一回行っただけ。
離陸後、朝食の時間に。
アップルパイ、マフィン、フルーツ、ヨーグルトという献立の軽食が配られ、お腹が空いていたので全部残さず食べました。
普段の朝食で甘いパンは食べないんですが、どれも普通に美味しかったです。
近距離の軽食だとこんなものでしょう。日系やフィンエアーの朝食なんかと比べても、遜色ないと思います。
機内では韓国の入国カードが配られますが、乗り継ぐから必要ないので受け取りませんでした。
超簡単!仁川国際空港の乗り継ぎ
2017年11月当時なので、第1ターミナルでの話になります。(大韓航空は現在、オープンした第2ターミナル発着。)
午前11時45分、仁川国際空港に到着し、降機。
「Transfer」の表示に従い歩き出すと、日本語で「乗り継ぎ」の案内表示が。
乗り継ぎ表示のサインに従ってどんどん進みます。
日本の空港にいるような気分に。
国内線で成田か羽田に飛んで、荷物をピックアップ後、国内線ターミナルから国際線ターミナルに移動する手間を考えると、大阪からソウルまで飛んだ方が利便性が高いと思います。
ここの先で、乗り継ぎの保安検査を受けます。
日本での保安検査と同じように、手荷物や上着をカゴに入れてX線に通し、金属探知機をくぐります。
なぜか探知機に引っかかったので、係員の女性が手を水平に上げるポーズをしたので、同じポーズをしてボディチェックを受けます。
ズボンのポケットにハンカチを入れていたため少々膨らんでいて、それを指摘されたので「ハンカチです」と中身を見せたら、無事にパス。
保安検査場を出ると、ほどなくして免税店エリアに。
免税店エリアは関空以上に充実しています。
日本語でのサービスもあり、言葉に不安がある場合、韓国での乗り継ぎは安心感が大きいです。
アジアで10位以内に入るハブ空港で就航都市数も多く、慣れない欧州の空港で乗り継ぐよりも利便性が高いと思います。
免税店エリアと同じ建物内にゲートがあります。
難なく17番ゲートに到着。ここにも「ゲート」と日本語の表示があります。
帰路のパリ発ソウル行き(仁川国際空港)の乗り継ぎも、ほぼ同じです。
すぐに繋がるエアポートWi-Fi
関空のWi-Fiは全くアテにならないんですが、仁川国際空港に到着して空港施設内に入ると、すぐにWi-Fiに接続できます。
フリーWi-Fiなのでパスワード入力は不要。
速度も全く問題なし。
ゲート付近ではクラッシックコンサートも
搭乗ゲート付近では、韓国の女性によるクラッシックの生演奏が行われていました。
世界空港サービス評価(ASQ)でも上位にランクインするだけあって、旅客を楽しませるエンターテインメントは充実しているようです。
乗り継ぎ時間に余裕があれば、トランジットツアーも利用できます。
クラッシックの演奏中は、ゲート付近にいるたくさんの人たちが演奏に聞き入っていました。
マイケルジャクソンの「スムース・クリミナル」が演奏されると、たくさんの人が手拍子で盛り上がっていました。
駐機場に入ってくる超大型旅客機A380
ソウル発パリ行きのKE901の機材は、2階建ての超大型旅客機、エアバス社のA380。
機材自体が高額で燃費も食うため、保有している航空会社が限られています。
ちなみにA380の最大顧客はエミレーツ航空で、日本からもドバイ行きの直行便でA380に搭乗できます。
エコノミークラスは一階席ですが、これに乗れることがパリ行きの楽しみの一つでもありました。
画像の手前は恐らくA321クラスの200席前後の小型機だと思われ、奥に見える翼部分のターボファンが4発着いているのがA380。
500席強のA380の威容。ジャンボ機は退役したボーイング747以来。
ボーディングブリッジが接続されたA380。一階席と二階席のブリッジは別れている。
搭乗時刻になり、機内に乗り込む。
荷物を棚の上にしまい着席すると、私の列のシートには誰も来ないんですね…
オフシーズンって空いてるなあと実感。
隣がいないって気楽。疲れたら横になることもできるし。
機内の座席には、ミネラルウォーターが二本用意されていました。
シートピッチが若干広く、狭苦しさがない
エコノミークラスのシートでも、地獄の狭苦しさを感じないのがA380のすごい所。
足元のスペースにも少し余裕がありました。
その分シート自体が薄めの作りになっているように見受けられます。
トイレがきれいで若干広い
新しめの機材だけあって、トイレも清潔できれい。
やっぱり最新の機材っていいなぁと思います。
座席だけでなく、トイレもやっぱりちょっと広め。
機内エンターテイメントもいいけど、尾翼カメラが面白い
機内ではパーソナルモニターで機内エンターテインメントを楽しめますが、ソウル発なので映画は日本語の字幕がありません。
字幕は確か英語、韓国語、中国語だったかと。
乗り継ぎで日本発でない便に乗る時、外国語ができない場合は、タブレットにあらかじめ見たい映画や電子書籍をダウンロードしておくと退屈しません。
機内エンターテインメントもいいんですが、私が一番好きなのは「尾翼カメラ」。
飛行機の尾翼についているカメラから、飛行機の胴体を眺められる独特のアングルです。
フライト中に見えるのは空と雲ばかりなので、全く変化のない風景に見飽きてしまう人が多いかと思います。
私は変わらない風景を眺めているのが好きな変人なので、機外の光景を長時間ぼんやりと眺めていました。
これは尾翼カメラを選択する画面↓
尾翼カメラから見られる光景。まるで宇宙空間を飛んでいるような。
尾翼カメラで見る仁川国際空港の駐機場。駐機場は見ててちょっと面白い。
けっこう美味しい!大韓航空の長距離線の機内食
離陸の約一時間後、配られる1回目の機内食。
メニューは洋食系(肉)とビビンバと、あともう一種類(忘れた)。
往路は洋食系をチョイス。
ビーフシチューにマッシュポテトが添えられたものとモッツアレラチーズとトマトのサラダ、パン、スイーツという内容で、アルコールは白ワインをオーダー。
ビーフシチューもマッシュポテトも、モッツァレラチーズとバジルのサラダも美味しくて、ワインがとても進みました。
食べかけですが、このサラダはワインのアテにもちょうどいいので、お代わりがあるか聞けば良かったと。。
夜中になると、希望すれば軽食がもらえます。
私がもらったのはツナのおにぎり。
辛ラーメンもあったんですが…唐辛子が強いと咳き込んでしまうので食べられません。
CAさんに「辛いものが苦手なので、他に温かい食べ物がありますか」と聞くと、後で軽食をお配りします、とのことでした。
おにぎりを持って来てくれたそのCAさんは、私が辛いものが苦手なのを覚えていてくれて、辛くない具のおにぎりを持ってきてくれました。
おにぎりは冷たかったけど、心づかいがすごく嬉しかった。
2回目の機内食(朝食)
2回目の機内食は、お肉と野菜の炒めものに、ご飯。
大根ときゅうり、玉ねぎにオリーブを添えたあっさりサラダとフルーツ(スイカとオレンジ)、パンという内容。
日本人だから、ご飯食がとても嬉しい。
帰路の1回目の機内食
そして帰路のパリ発ソウル行きのA380では、念願のビビンバをオーダー。
パリでは洋食ばかりでちょっと疲れていたので、とてもご飯が恋しかったんです。
見た目は地味ですが、肉と白ご飯の力は偉大です。
美味しくて、またワインが進んでしまう。
下の画像がビビンバ。
左隣にある、サトウのごはん的なパックご飯を混ぜて食べます。
このビビンバ食べたさに、また大韓航空の長距離線に乗りたくなってしまいます。
2回目の機内食は、私だけの長距離線あるあるで、食べられなかったのでスルー。
そのため、帰路の2回目の機内食レビューがありません。。
ソウル発でも、比較的日本語が通じる安心感
大韓航空の関西国際空港発の便には日本人CAや日本語が話せるCAの方がおられ、そこまで英語ペラペラでない私には、ところどころでも日本語が通じる安心感がありました。
ただソウル発の場合、日本語が話せるスタッフが乗っているとは限りません。
機内食が配られた時、韓国語で話しかけられました。
同じアジア人だから、きっと見分けもつきません。
韓国語はサッパリなので、英語で肉の機内食と白ワインをオーダー。
すると、若干たどたどしい日本語で「日本人の方ですか?」と尋ねられ、「はい、そうです」と答える。
なぜ私が日本人だと思ったのかわからないけど、日本語が分かる方がいるんだ、と思うとなんだか嬉しかった。
CAさんの嬉しい気配り
帰りのパリ発ソウル行きの便では、1回目の機内食を食べた後から爆睡していて、2回目の機内食は食べませんでした。
目覚めると「お休み中だったので、機内食をご提供しませんでした」シールがパーソナルモニターの横に貼られている。
シールは韓国語、中国語、日本語の3カ国語で書かれていました。
起きてしばらく経った頃。
ソウルに着陸する一時間前だというのに、CAさんが「お休み中だったのでお食事をご提供しませんでしたが、何かご入用でしたら遠慮なくおっしゃってください」と日本語で伝えてくださいました。
ナッツ姫の事件など色々と問題があった大韓航空ですが、末端の方々はとても誠実に業務に当たっておられると思います。
日韓関係が微妙な状況だったりすると、大韓航空の利用を躊躇してしまうこともありますが、コロナ禍を乗り越えて頑張って欲しいです。
大韓航空、長距離線の満足度は高かった
大韓航空の長距離線に乗ってみて、全体としての満足感は「かなり高い」です。
私が良かったと思ったことをまとめると、
- 機内食が美味しい
- 機内サービスの質がいい
- 機内が清潔
- 日本語が通じるCAさんがいる(全員ではない)
- 乗客の質もそんなに悪くない
悪かったことはあったかな?と思い出してみたけど、思い出せません。
乗り継ぎで利用した仁川国際空港も日本語表示が至る所にあり、乗り継ぎが簡単で、日本の空港からは就航していない都市にも接続しているので、利便性が高い。
大韓航空も、仁川国際空港もまた利用したいと思います。
パリ行きだとエールフランスの直行便に乗られる方も多いかと思います。
私もパリ行きのエールフランスに乗ったことがありますが、エールフランスのCAさんは、大韓航空のCAさんほどの細やかな接客はありませんでした。
エールフランスはエコノミークラスでもシャンパンを飲めるのがいいんですが、全体的な評価としては大韓航空の方に軍配が上がります。(あくまでも一個人の意見です)
レビューには大韓航空に関する色々な感想が掲載されていますが、本当のところは自分の目で見て、体験してみて、確認した方がいい場合もあると思います。
私の場合、運良く素晴らしい接客を受け、満足しているので良い内容のレビューになっています。
人の評価に左右されすぎず、客室乗務員の接客や機内食、経由地の空港の乗り継ぎのしやすさを実際に体験してみて、自分自身で評価することが大切だと思います。
コロナウイルスが収束したら是非、大韓航空の長距離線での旅にチャレンジしてみてください。